OEM企画で差をつける!売れる商品を作るための6つのヒント

「競合他社と同じような商品ばかりになってしまう。」「OEM企画をしても、なかなか売れる商品に結びつかない」

そう思う方もいるかもしれません。

実は、売れる商品を生み出すには、差別化のポイントを企画段階から意識することが重要です。

この記事では、OEM企画の基本から、競合他社と差をつけるための着眼点、行動ステップまで、売れる商品を作るための9つのヒントをご紹介します。

目次

OEM企画とは?基本とメリットを解説

OEM企画とは何か?分かりやすく解説

OEM企画とは、自社では製造を行わず、外部の工場やメーカーに製造を委託して、オリジナル商品として販売する仕組みのことを指します。「OEM」は「OriginalEquipmentManufacturer(オリジナル製品製造業者)」の略です。一般的にアイデアや企画を持つ企業が、製造に必要な設備や技術を持つ企業と協力して商品を形にします。自社ブランドの商品を作りたいけれど、製造ラインを持たない企業にとって有力な製造手段になります。

自社開発とOEMの違い

自社開発とOEMの違いは、製品を自社で「作るか作らないか」にあります。自社開発は設計・製造・品質管理まですべて社内で完結させる方法で、自由度はあるものの大きな投資と専門人材が必要になります。一方、OEMは製造部分を外部に委託するため、コストや労力を抑えてスピーディに商品化できる点が魅力です。ただし、製造先との連携がスムーズにいかないと品質や納期に影響する可能性もあるため、委託先企業の選定と連携が重要になります。 

OEMを活用するメリット

OEMを活用するメリットは「製造を委託できること」です。そのため、

 ●新商品を試験的に販売したいとき
 ●製造コストを抑えたいとき
 ●スピード感を持って市場に投入したいとき

などが活用シーンとして挙げられます。また、商品アイデアはあるものの、製造設備やノウハウが社内にない場合にも有効です。特に中小企業やスタートアップにとっては、リスクを抑えながら商品を世に出す手段として活用しやすい方法といえます。

差別化で勝つ!OEM企画の3つの成功ポイント

競合他社と似たような商品ばかりになってしまう…。これは商品企画を担当されている方が一番避けたいことです。OEM会社に製造をお願いすると、すでに世に出ている競合商品の製造を手がけています。そのため、企画段階で細部を固めないと、どこか他者と似通った商品になってしまう可能性があります。 以下の3つのコツを押さえることで、OEMのメリットを活かしながら、企画の質をぐっと上げることができます。

①競合調査から方向性を決める

差別化の第一歩は、まず「競合を知ること」です。同じジャンルの商品を扱う企業が、どのような強みや表現で販売しているのかを調べることで、自社がどう差別化すればよいかが見えてきます。商品だけを見るのではなく、価格帯、パッケージ、広告の言葉、販売チャネルなどもあわせて分析するのがコツです。「何をやれば目立てるか」よりも、「どこが空いているのか」という視点で見ていくと、自然と方向性が決まります。

②売れている商品の共通点と独自性を見つける

売れる商品には、いくつかの共通点があります。まず、顧客が抱える悩みや不便を解決することが前提です。ただ、機能が多いだけではなく、「使いやすい」「価格に見合っている」「見た目がよい」といった納得感があることが特徴です。また、他の商品と比べてすぐに違いが伝わる分かりやすさも重要です。こうした共通点を押さえることで、商品企画の方向性をより具体的にできます。

また、競合他社との差別化を図るには、切り口を工夫することが大切です。例えば、同じ商品ジャンルでも「用途に特化する」「デザインにこだわる」「特定のターゲットに向ける」といった方向で、独自性を出すことができます。ヒット商品は分かりやすいだけではなく、切り口が巧みです。切り口を考える際は「誰のどのような悩みを解決するのか」を深く掘り下げることで、企画に説得力が生まれます。ユニークであることが目的ではなく、選ばれる理由を明確にすることが差別化への第一歩です。

③ターゲットの視点で企画をつくる

よい商品企画は、ターゲットの視点から考えられています。年齢や性別だけでなく、ライフスタイルや価値観まで想像しながら、「この人なら、どこでどう使うのか」を具体的に考えることが大切です。また、実際の口コミやレビューを参考にすることで、リアルなニーズが見えてきます。ターゲットの声をもとに企画を立てることで、商品が刺さる確率はぐっと高くなります。

例えば、近年の化粧品市場は、スキンケア、メイク、自然派、ジェンダーレスなど、多様な価値観に対応する商品が急増しています。特に「敏感肌向け」「エイジングケア」「ヴィーガンコスメ」など、特定の悩みやライフスタイルに寄り添った商品が注目されています。現代は「みんなに売れる商品」よりも、「誰かに深く刺さる商品」がヒットする可能性が高いです。まずは今どのようなニーズがあるのかを把握することが第一歩です。

OEM企画を成功させる!注意点と販売までのステップ

OEMを進めるうえで、何が失敗につながるのか不安に感じる方も多いかもしれません。 ありがちな落とし穴を事前に把握しておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。OEM企画の流れに合わせて、注意点とコツを6つ紹介します。 

①まず知っておきたいよくある失敗と回避策

OEM企画に置いて、気を付けたいポイントはいくつかありますが、まず企画前に知っておきたいよくある失敗要因は以下の2つです。

1.意図が伝わらず完成品にズレが出る

OEM企画でありがちな失敗のひとつが、制作意図がOEMメーカー側に正しく伝わらず、完成品にズレが生じてしまうことです。例えば、素材の質感や色味、パッケージの仕様など、「言葉だけでは伝えきれない部分」が誤解されたまま進んでしまうケースがあります。

回避策

これを防ぐには、意図ズレが起こらないように、企画書は「分かりやすく」「具体的に」記載することです。図や写真を使って具体的に共有したり、試作品の段階で細かく確認を取ります。企画書段階でイメージの詳細を詰めること、伝える手段を増やすことがズレを防ぐ最大のポイントです。

2.顧客ニーズに合わず売れ残る

もう一つ多いのが、「自分たちがよいと思った商品」と「顧客が求めていたもの」がズレていたために商品が売れ残ってしまうケースです。これはターゲットの声をしっかり拾わずに企画を進めてしまった結果、起こりがちです。市場のニーズをリサーチせず、感覚だけで決めた商品は、どれだけ品質がよくても手に取ってもらえません。

回避策

このような失敗を避けるには、事前にアンケートやSNSなどで顧客の声を集める工夫が有効です。

②OEMの企画書作成のコツ

OEMを進めるために、まず企画書を作成します。企画書の段階でどこまで具体的に商品をコトバにできるかが、商品の完成度を左右します。

企画書に必ず入れる基本項目

OEM企画書を作成する際は、誰が読んでも内容がすぐに理解できるよう、構成をシンプルにすることが大切です。以下の3つの順番に記載すると分かりやすくまとまります。

 1.企画目的:なぜこの商品を企画するのかの「目的」や「背景」
 2.商品概要:「ターゲット」「想定価格」「デザインイメージ」「販売方法」など
 3.希望条件:スケジュールやロット数、納品予定時期など

通る企画書と通らない企画書の違い

「通る企画書」には、読み手への配慮と論理性があります。特に重視されるのは、「実現可能性」と「メリット」です。極端に安い原価設定や曖昧な表現が多い企画書は実現への障壁になります。一方で、売上見込みや市場ニーズを示したうえで、発注予定数などを具体的に示せば、ビジネスとして成立する計画であると伝わりやすくなります。丁寧な構成が、信頼と実現性を後押ししてくれます。

③信頼できるOEMメーカー選びのポイント

企画書の作成が終わったら、OEMメーカーを探します。メーカー選びはOEM企画の成否を分ける最大の要因ともいえます。安さだけで選んでしまうと、納期の遅れや品質トラブル、連絡の不備などが、後々大きな問題に発展することもあります。

 ●希望する商品の製造技術、製造実績はあるか
 ●希望するスケジュールやロット数、納品時期に対応可能か
 ●予算内の価格で発注可能か
 ●これまでの実績や過去の取引先
 ●品質管理体制、サポート体制


などをしっかり調べたうえで、信頼できるパートナーを見つけることが大切です。可能であれば、最初は少量で発注して、実際のやり取りや仕上がりを確認するのもよい方法です。

④打ち合わせでOEMメーカーに伝える内容

打ち合わせを重ねて、具体的な商品イメージや要望をOEMメーカーに伝えていきます。冒頭で紹介したとおり、「意図が伝わらず完成品にズレが出る」ということはよくあるOEM企画の失敗談です。そのため、相手に伝える情報をできる限り明確に文章でまとめておきます。

特に以下の項目は記載しておくとズレが生じづらいです。

 ●製品に期待する品質
 ●使用したい素材
 ●必須条件


また、詳細が決まっていない項目は「どの部分はこだわりたい」「どこは相談して決めたい」など、優先度も含めて整理しておくとやり取りがスムーズになります

⑤本格販売の前に確かめたいこと

サンプル品を製造して使用感などを確かめた後は、いきなり大量生産せずに「小さくテスト販売」することが重要です。ネット販売やイベント出店、クラウドファンディングなどを活用すれば、初期コストを抑えつつ、リアルなユーザーの声を集めることができます。その反応をもとに、価格、パッケージ、キャッチコピーなどを調整しながら、完成度を高めていくことができます。失敗リスクを減らしながら、確実に差別化を進められる手法です。

⑥自社の強みをUSPに落とし込む方法

USP(UniqueSellingProposition)とは、「自社ならではの強み」を一言で伝える考え方です。これは、競合他社と比較したときに「選ばれる理由」を明確にする武器になります。自社の技術力、仕入れルート、対応の柔軟さ、地域とのつながりなど、何気ない強みにこそ価値があります。それをテスト販売で集めたユーザーの声と結びつけて、「この商品は〇〇な人にぴったりです」と打ち出せれば、しっかりと差別化された商品企画になります。

テスト販売の結果を踏まえて、販売戦略を練りながら販路拡大を目出します。

まとめ

OEM企画で成功するには、単に商品をつくるだけでなく、「誰に」「どのような価値を届けるか」という視点が欠かせません。市場調査に基づく商品企画が重要です。また、OEM企画では外部に製造を委託するため、理想の商品イメージを正確に伝えるための言語化が成功の鍵になります。

これらを押さえることで、自社ブランドの強みを活かした独自性のある商品企画が可能になります。
競合他社がひしめく市場でも、しっかりと選ばれる商品を生み出すことができるはずです。

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