【OEM担当者必見】化粧品バルク完全ガイド|種類・価格・業者選びのコツ

「化粧品バルクってよく聞くけど、そもそもどういうもの?」「OEMで化粧品を作りたいどの業者に頼めばいいか分からない…」そう思う方もいるかもしれません。

実は、化粧品バルクを活用して理想の商品を形にするためには、種類ごとの特徴を理解し、コストの仕組みや業者選びのポイントを押さえることが大切です。

この記事では、化粧品バルクの基本知識から種類・価格・選び方まで、OEM担当者が押さえるべき重要ポイントを分かりやすく解説します。

目次

バルクとは

そもそもバルクとは、スキンケアやメイクアップ製品など化粧品の中身を指します。それぞれの質感や使用感、仕上がりは製品のコンセプトや価値に直結するため、どのようなバルクを選ぶかは非常に重要です。

こだわりを形に!商品コンセプト別バルクの選び方

どれだけ品質のよいバルクでも、ブランドの世界観やターゲット層に合わなければ意味がありません。近年トレンドな「自然派志向」「エイジングケア」「メンズコスメ」の3つを例に商品コンセプトに合ったバルクの選び方を紹介します。

 ●自然派志向:オーガニック認証原料を使ったナチュラルバルクがおすすめ。植物由来成分や無添加処方が好まれ、肌にも環境にもやさしい点が支持されている。

 ●エイジングケア:高保湿・高機能な成分を贅沢に配合した濃密なクリームバルクが最適。しわ改善やハリ感アップなど、年齢肌の悩みが期待できる。

 ●メンズコスメ:ベタつきを嫌う傾向から、ジェルタイプやさっぱり系のローションバルクが人気。香りや洗浄力など、男性ならではの視点が重要。

プロが教える!バルクの使用感・安定性チェックポイント

理想のバルクを選ぶには使い心地だけでなく、安定性や安全性も重要です。以下の3つの視点からチェックすることで、より完成度の高い商品づくりにつながります。

 ●テクスチャー:使用感を左右する最大の要素。指に取ったときののびやすさ、肌へのなじみ具合、時間経過によるベタつきなどを確認する。

 ●成分の安定性:変色・分離・香りの変化などは品質劣化のサイン。試作段階で長期保存テストを行うことがおすすめ。

 ●安全性:アレルギーや刺激性のリスクを避けるうえで不可欠。特に肌へのやさしさを求める商品では、パッチテストなどの安全性試験の実施が望まれる。

賢くコストダウン!バルク価格の秘密と交渉術

同じような化粧品でも、価格が大きく変わります。価格が変動する理由はおおまかに以下の3点です。

原材料で価格が変わる?品質とコストのバランス

バルク価格に大きく影響するのが「どのような原料を使うか」です。高機能・高純度の原料ほどコストは上がりますが、付加価値を求める商品には欠かせない要素でもあります。

例えば、ペプチドやプラセンタなどの高級成分は1kgあたり数万円することもあります。一方、安定供給できる一般的な保湿成分や植物エキスはコストを抑えられる傾向があります。

また、オーガニック原料は認証取得や栽培コストが上乗せされるため一般原料よりも割高になりますが、その分競合他社製品との差別化が期待できます。

目的やターゲットに応じて原料選びと価格のバランスを見極めることが成功への第一歩です。

ロット数でこんなに変わる!価格交渉のコツ

化粧品製造の価格は製造ロットの大きさでも大きく変動します。1回の生産量が多いほど、原料調達や製造ラインの稼働が効率化されるため1個あたりのコストは抑えられます。

例えば、小ロットで100個だけ製造する場合、試作費や立ち上げコストが1個あたりに重くのしかかります。一方で、大ロットで1万個製造すればそのコストを分散でき、単価が下がります。

とはいえ、在庫リスクや初期投資の負担も無視できません。テスト販売やスモールスタートが前提なら、交渉によって「ロットは小さく、費用はなるべく抑える」柔軟な対応をしてくれるOEMメーカーを選ぶことが重要です。

容器・包装もコストダウン!賢い選択術

バルクだけでなく、容器や包装の選び方でもコストは大きく変わります。デザイン性の高い専用容器を使うと、金型や印刷コストが上乗せされます。一方で、既製品の容器を選べば調達コストを削減できます。

また、環境配慮型のエコ包装を選ぶと単価は高くなるものの、企業としての姿勢をアピールできるという利点があります。

商品コンセプトに合わせて「どこにコストをかけ、どこで抑えるか」を明確にすることが利益を確保しながら魅力的な商品をつくるための鍵になります。

OEM成功の鍵!メーカーとの確認必須チェックリスト

OEMを依頼したいけれど、何を基準にメーカーを選べばいいか分からない、という不安はつきものです。依頼前に確認するポイントを押さえれば、トラブルを防ぎ、理想の商品づくりがスムーズになります。

バルクのみ?容器も?OEM依頼前に知りたいこと

OEMには「バルクのみを依頼するケース」と「容器やパッケージも含めて依頼するケース」があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の体制や目的に応じて選択することが重要です。

バルクのみの製造を依頼する場合、自社で容器やラベル、包装資材を手配する必要があります。コストやデザインにこだわりやすい反面、複数業者との調整や納期管理に手間がかかります。

一方で、容器込みで製造を依頼する場合はワンストップで製品化できるため、進行がスムーズです。初めてOEMに取り組む場合や、スケジュール重視のプロジェクトにはこちらが適しています。

失敗しない!OEM業者選びの5つの鉄則

信頼できるOEM業者を選ぶには、価格だけでなく「得意領域」や「実績」「対応力」といった複数の観点から見極める必要があります。

 1.得意分野の確認:業者によって得意な商品ジャンルが異なる。スキンケアに強い会社、メイクアップ製品に特化した会社など、自社商品とマッチするか確認する。

 2.技術力・開発実績:過去にどのような製品を手がけてきたか、開発力はどの程度あるかを確認することで、品質や提案力のレベルが見えてくる。

 3.品質管理体制:GMP認証やISO取得の有無、製造時の検査体制など、品質維持の仕組みが整っているかが重要。

 4.サポート体制:問い合わせへの対応スピードや、製品改良・トラブル時の対応力も重要な判断材料になる。

 5.海外展開への対応力:将来的に海外販売を検討しているなら、輸出用の製品表示や成分規制への対応経験があるかもチェックする。

スムーズな商品化!OEMの流れと注意点

OEMで化粧品を製造する際は、大まかに以下のような流れで進行します。

この流れのなかで特に注意したい点は「試作段階での認識のすり合わせ」と「契約内容の明確化」です。例えば「香りの強さ」「テクスチャーの粘度」「色味」などは言葉だけでは伝わりにくいため、実物でしっかり確認してから製造に入るようにしてください。

また、契約書には納期、トラブル時の対応、返品・補償の可否などを明記しておくことが重要です。細部の取り決めをおろそかにすると、トラブルが起きたときに対処が難しくなります。

バルクの品質を守る!保存・管理の極意

せっかく作ったバルクが、保存や管理のミスで劣化してしまうのは避けたいところです。正しい保存方法や管理体制を知ることで、安定した品質を維持できます。

バルク品質を保つ保存・保管方法

バルクの保存には、温度・湿度・光の管理が欠かせませんが、バルクの種類によって最適な条件は異なります。多くの場合は密閉状態で温度変化の少ない冷暗所での保管が推奨されていますが、バルクの特徴をしっかりと理解して最適な環境で保存することが大切です。

品質劣化を防ぐ!製造・輸送時の注意点

バルクの品質は保存中だけでなく製造や輸送の段階でも左右されます。

製造時は、異物混入や成分の分離、香料の揮発などがよくある問題です。事前に機械の洗浄や室温管理、作業員の衛生管理を徹底することで、これらを未然に防げます。

輸送時は、温度の急激な変化や容器への衝撃に注意が必要です。特に夏場や寒冷地への輸送では、保冷・保温梱包の対応や、トラックの積載位置への配慮が求められます。

また、輸送中に品質変化が起きた場合の対応フローも、事前にOEMメーカーと確認しておくことが重要です。

安定供給を実現!在庫管理・品質管理体制

商品販売を継続するには、バルクの安定供給と品質の一貫性が不可欠です。そのためには、在庫管理と品質チェックの仕組みを整える必要があります。

在庫管理では、消費期限やロット番号の管理を徹底し、先入れ先出しの原則で運用することが基本です。また、販売量の予測に応じて、適切な製造スケジュールを立てることも重要です。

品質管理体制については、OEMメーカーに品質保証の仕組みや検査内容を確認してみてください。例えば、バルクごとの成分検査、微生物検査、外観チェックなどが含まれるかどうかをチェックします。

継続的に安定した商品を提供するためにも、品質管理の体制は軽視できない要素です。

OEMトラブル回避!製造現場のリアルと対策

製品化までできたものの、不良や納期遅れが起きた、ということもよくあるトラブルです。

事前にトラブルの傾向や防ぐためのポイントを把握すれば、リスクを最小限に抑えられます。

バルク製造でよくあるトラブル

化粧品OEMでは、製品が完成するまでにさまざまな工程があるため、トラブルが発生する可能性はゼロではありません。ここでは、特に多い3つの事例をご紹介します。

 1.異物混入:製造ラインに付着したホコリや毛髪、原料の残留などが原因で異物が混入してしまうケース。特に充填工程や容器の内面に注意が必要。

 2.品質変化(変色・分離・においの変化):保存状態や成分同士の相性が原因で、バルクが時間経過とともに変化してしまうことがある。配合バランスや安定性試験の実施が不十分な場合に起こりやすくなる。

 3.納期の遅延:原料の納品遅れや設備トラブル、人力不足など、さまざまな要因で製造が計画どおりに進まないことがある。販売スケジュールに影響を及ぼすため、注意が必要。

トラブル回避!契約・仕様書作成のポイント

OEMでのトラブルを防ぐには、「仕様の明確化」と「責任範囲の明文化」が何よりも重要です。発注者とメーカーの認識のズレをなくすために、契約や仕様書にしっかり落としこんでください。

 ●品質基準の明記:見た目・香り・粘度・使用感など、できるだけ具体的な基準を設定。第三者視点で客観的に判断できる内容にしておくことで、あとのトラブルを避けやすくなる。

 ●納期設定は余裕を持つ:製造トラブルや輸送の遅延を想定し、販売日から逆算してスケジュールを調整することが大切。バッファ期間を設けておくことで、想定外の事態にも対応できる。

 ●責任の所在と対応フローを明記:万が一トラブルが起こった場合、「誰がどこまで責任を負うのか」「どう対応するか」をあらかじめ取り決めておくと、対応もスムーズ。返品対応、再製造の条件、損害補償の有無なども契約書に明記しておくのが望ましい。

まとめ

化粧品OEMを成功させるためには、バルクの種類や価格、メーカー選びのポイントを理解し、適切な管理体制を整えることが重要です。

Miyauchiでは、昭和23年創業の老舗企業として、長年培ってきた技術力と経験を活かし、オリジナルブランドの立ち上げをサポートしています。​化粧品OEMでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。​

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